何かに応募などをする際
年齢制限や締め切り日があるケースがほとんどですが
私は経験上
これらの数字はそれほど厳密ではないと思っています。
【CASE①】
私が24歳の時に、
小さな放送局の専属キャスターになるオーディションがありました。
フリーアナウンサーになるきっかけとなったものでした。
たしか最終選考には5、6人いたかな?
全員私よりも年上だったと思います。
皆さんキャスター然とした佇まいで
貫禄すらあるのに対し
私はキャスターオーディションなんて受けたことすらなく
諸先輩方の雰囲気に呑まれまくり。
控室の中でずっと
あーこれは受からないな
思っていました。
負け戦に来ちゃったな
まぁこれも経験経験、と。
とは言え、やるしかない。
オーディションではその時にできることを
精いっぱいやりきりました。
結果は合格。
あとで、審査員だったベテランキャスターさんに
合格した理由を聞いてみました。
すると、オーディションの中でいきなり口頭問題で出された
和歌の現代語訳が一番正解に近かったから
とのことでした。
(そんなのが出たのですよ!!!
かなりのレアケースでしたね。)
これが決め手になったとか。
ずいぶん後で知ったのですが
そのオーディションの年齢制限は
「25歳以上」だったそうです。
当時私は24歳だったし
キャスター経験すらゼロだったのにも関わらず
並みいる強豪を押しのけ、受かってしまったのです。
そうなんです。
人が人を選ぶときは
経歴でもない年齢でもない。
そんなもので審査はされないのです。
いや、判断材料のひとつにはなるかもしれませんが
決定打になるものは、
事前に告知されていることとは
一致しないことの方が多いのです。
ただ「このひと、いいな」
これだけなのです。
そして「このひと、いいな」
の基準は、ものすごく曖昧なのです。
【CASE②】
私の少し年上の友人に
35歳の時に一念発起して
大手広告会社が主催するスクールに入り
ゼロから広告を学んだ女性がいます。
その時の応募の年齢制限は25歳以下だったとか。
でも彼女はそこでどうしても学びたく
スクールに自ら問い合わせ
応募しても良いかどうか聞いたそうです。
熱意ある彼女の姿勢に
「ぜひ応募してみてください」
と言われ、受験し、合格。
もともと優秀な彼女はそこで1年間、
純粋かつ懸命に学び、課題に取り組み、
なんと首席で卒業。
「イベントプロデューサー」という肩書を得て
数々の著名人をゲストに迎えるイベントを成功させるまでになりました。
さらには20歳前後の優秀なお友達がたくさんでき、
とても充実した日々を過ごしています。
【CASE③】
これはあまり褒められた話ではありませんが、
私自身の話。
研修講師駆け出しのころ
これから講師の仕事を得ていくためには
まだまだ勉強をしなければならないと思い
学べそうな場には積極的に出かけていました。
ある時、
とある研修テーマの講師育成講座があり
そこで4日間みっちり講義を受けました。
その後、そのテーマの認定講師となる試験がありました。
試験とは
レポート提出や、論文形式の筆記試験のほか、
講座で学んだ内容をもとに
自分でデモ講義した動画を
15分×4本撮影して提出する
というものでした。
学んだ内容をすぐに消化して
デモ講義ができるまでに落とし込むなんて
お世辞にも簡単ではありませんでした。
撮影する場所も時間も手間もかかりましたし。
提出期限は一応ありましたが
皆、それぞれ自分の仕事がある中で
課題を提出しなければなりませんでしたから
期限は厳密ではなく、柔軟に対応するとのことでした。
私はたぶん期限から2週間は過ぎてから提出したと思います。
さすがに遅すぎたかな、と思いましたが
結果は合格。
後で聞くと、提出率は30%ほどだったそうです。
合格率ではなく、提出率が30%です。
みっちり4日間講義を受けたのにも関わらず
認定講師になるチャレンジをする人が少なかったのです。
たぶん多くの人が日々の慌ただしさに追われて
提出期限が過ぎてしまい
「もう間に合わない、動画を撮るのも面倒、じゃあいいや」
と判断したのでしょう。
動画は、今でこそスマホでちゃちゃっと画質良く撮れますが、
当時はデジカメと三脚がなければ
最低限ひと様に見せられるような動画は
撮れなかった時代だったと思います。
そこまで用意するのはなかなか面倒だった時代です。
もちろん、それほどまでの熱意もなかったのでしょう。
しかし、比較的多くの人が
年齢や提出期限といった
何らかの数字を必要以上に重く受け止め
「あてはまらない、じゃあダメだ」
とチャレンジすることを簡単にあきらめているように思います。
世の中、
やってみれば、言ってみれば、何とかなる。
やったもの勝ち。言ったもの勝ち。
これが私の持論です。
そもそも提示されている数字なんて
「基準は一応あった方がいいよねぇ。この辺にしとく?」
くらいで決まっているものなんです。
あなたが何かを決めるときも
だいたいそうではありませんか?
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